関西学院大学社会心理学研究センターの終わり、そして始まりの終わり

2015年4月に誕生した関西学院大学社会心理学研究センターが9年の歴史に幕を閉じます。9年の間に数多くの共同研究が生まれ、多くの大学院生が学術振興会特別研究員となり、そろそろ博士の学位を取得する大学院生も増えてきたタイミングでのセンター終了となります。

センターの成果を考えると、「勿体ない」と思う方もいるかもしれません。しかし、内部で見れば、そろそろコアメンバー(三浦麻子・清水裕士・小川洋和・稲増一憲)たち、とくにセンターを立ち上げた三浦麻子さんが嫌う「惰性」という言葉が顔を出し始める頃だと思いますので、センター終了はこのタイミングで良いのだと思っています。

とはいえ、社会心理学研究センターに集った研究者、センターから巣立っていく大学院生たちにとっては、これは終わりではなく、終わりのはじまりでもなく、始まりの終わりに過ぎないでしょう。9年間に培われた有形無形の成果が、今後の日本の社会心理学界(心理学界)を支えていくのだと思っています。

また、我々の活動の第1部は終了しますが、それぞれの場所で第2部が始まり、そして第3部か第4部あたりで、かつての仲間が再開して共闘する少年誌ばりのアツい展開が待っていると思います。

KG-RCSPセミナーや合同ゼミでトークを行っていただいた方々、セミナー・合同ゼミに参加して下さった方々、すべての方々に心より感謝申し上げます。

関西学院大学社会心理学研究センター 二代目センター長 稲増一憲

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稲増ゼミ9期卒業論文発表会

1月27日金曜日に社202教室にて、2022年度の稲増ゼミ9期生18名の卒業論文発表会を行います。1人の持ち時間は15分、発表12分質疑応答3分の社会心理学会スタイルです。
※ Zoomを利用したハイブリッド開催の予定です。同級生や先輩の発表を聞きたい他ゼミ・他学部の方、稲増ゼミの志望を考えている1回生など、ゼミ生以外の方がZoomを通じて参加したい場合は、ご連絡をいただければ、参加用のURLをお伝えします。

9期生のゼミ活動はコロナ禍の2020年9月にスタートしました。その頃には対面での授業も部分的に再開しており、多くの授業を対面(オンライン併用のハイブリッド)で行うことはできましたが、たとえばコンパや合宿などといって授業時間外の対面でのイベントを実施することはできませんでした。このことが学生同士の関係、学生と教員の関係を変えた面も大きかったと思います。しかし、少なくとも学生達が書き上げた卒論は先輩たちに負けず劣らない水準のものでした。3年ぶりの対面での卒論発表会です。コロナ禍はまだ収まる気配はありませんが、卒論発表会の翌日に、6期生のみんなと温泉宿のテレビでダイヤモンドプリンセス号のニュースを見ていた日から3年、ようやくここに戻ってきました。対面での発表会の再スタートと、9期生の門出をどうぞご覧ください。

第一セッション 12時~13時15分
トランスジェンダーに関するステレオタイプと接触経験との関連 清水美玖
完全主義者が疑似先延ばし行動をする要因の検討 北川未菜
性格診断テストの結果の種類と暗黙の知能観が診断結果に対する態度に及ぼす影響の検討 須田美柚
就職場面における喫煙者に対する否定的評価の検討 法貴翼
ホモソーシャルな関係が男性の化粧関心及び化粧行動に与える影響について 井上遥香

13時15分 休憩

第二セッション 13時30分~14時45分
集団内における役割が課題の失敗成功結果の帰属に及ぼす影響 奥原万智
プロ野球観戦における迷惑行為と誘発させるファン心理の検討 古川敦也
コロナ禍における大学生のセルフ・モニタリング傾向と友人選択理由及び付き合い方の関係 瀬津樹
スポーツにおけるあがりの喚起に影響を及ぼす指導者の社会的勢力の検討 清野龍之介
おたく自認層の増加要因について―母性と育成力からの検討― 小山愛加

14時45分 休憩

第三セッション 15時00分~16時00分
下の名前が似ている人、同じ人と出会ったときの感情―独自性理論を用いて― 山本涼太郎
メディア表現の違いによる伝達度および信頼度の差についての検討 深見克樹
援助者との関係性・援助内容の違いにおける、被援助者が抱く感情とその強弱の検討 濱田彩花
インスタグラム上の画像加工の閲覧がボディイメージに与える影響―社会的比較理論を用いて― 村上ひなた

16時00分 休憩

第四セッション 16時15分~17時15分
選択的夫婦別氏制度の賛否に影響を与えるものの検討 原見綾
文化資本による日本の他国・他国人イメージ分析 金秀珍
愛着理論とひとりでいられる能力との関連の検討 阿部海音
平成ギャルの持つマインドが現代女性たちに及ぼす影響の検討ー昭和レトロと平成レトロ流行の背景の検討とともにー 本出莉乃

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稲増ゼミ8期生卒業論文発表会

1月27日木曜日に社202教室にて、2021年度の稲増ゼミ8期生20名の卒業論文発表会を行います。1人の持ち時間は15分、発表12分質疑応答3分の社会心理学会スタイルです。
※ Zoomを利用したハイブリッド開催の予定ですが、今後の感染状況によってはすべてオンラインでの開催となる可能性があります。

同級生や先輩の発表を聞きたい他ゼミ・他学部の方、稲増ゼミの志望を考えている1回生など、ゼミ生以外の方は、ご連絡をいただければ、参加用のURLをお伝えします。

8期生のゼミはオンラインでの実施となった時期もありましたが、スピーカーとプロジェクターを利用したハイブリッド授業という形態をとりながらも、可能な限り対面で開催してきました。卒論という成果物のクオリティだけを考えるならば、4回生の秋にあえて全員が集まって卒論について議論することに意味があったかといえば、大きな意味はなかったかもしれません。しかし、他の学生の発表に対して楽しそうに質問をする学生たち、教員の知らないところでお互いの卒論について検討するサブゼミを開催していた学生たちの姿を見て、ゼミ生たちはコロナ禍であっても、それまでと同様、大学生活最後の時期に仲間たちと学問を楽しむ貴重な時間を過ごしていたのだと確信することができました。そんなゼミ生たちの晴れの舞台である卒論発表会をぜひご覧ください。

第一セッション 12時~13時15分
自己と他者の認識のずれがファッション行動に及ぼす影響 木村伊織
スポーツの試合観戦の満足度を高める 要因の検討―無観客試合に焦点を当てて 山本茉海“かわいいの特異性の検討:同調圧力を用いて 山脇杏佳
完全主義者の子育て場面における感情想起についての検討 玉木楓
若者女性における痩身体型の追求心理 についての検討―完全主義との比較から 宮本優衣奈

13時15分 休憩

第二セッション 13時30分~14時45分
ゲイン効果がアニメオタクの印象に与える影響の検討 萩原佑太
偏見・差別行動に繋がる恐れのある血液型ステレオタイプについての検討 尾関絢香
スピリチュアル概念の検討―宗教との共通概念に着目して― 清水紗香
リアコの恋愛観と片思いの捉え方に関する検討 安藝千紘
コストリー・シグナリング理論を用いた告白受容率の高い告白シナリオの検討 大浦宙真
14時45分 休憩

第三セッション 15時00分~16時15分
被呼称者に注目した呼称選択の要因の検討 永迫真実
動画コメント欄への参加が孤独感に与える影響の検討 井上紗希
人々の課題遂行能力に、音楽聴取が与える影響についての研究~曲調に焦点を当てた検討 秋山球登
改良型SCの活性化を利用した先延ばし行動を防ぐ有効的手段の検討 森川悠
反実仮想と原因帰属が後悔に及ぼす影響-対人関係の場面より- 城戸くるみ

16時15分 休憩

第四セッション 16時30分~17時45分
SPSとネガティブニュースを読んだ後の抑うつ不安感の関係について―推論の誤りを修正することで刺激に敏感な人でも抑うつ不安感を和らげられるのか― 川相優里
白紙投票に対する意見の構成要因についての検討 中村凜太郎
新型コロナワクチン接種によって起こる低頻度の副反応の有無と個々人の次回接種意欲 の関係における 、新型コロナワクチンに関する流言の接触量の媒介効果と専門家への信頼度の調整効果についての検討 藤田敦
日本における痛税感が形成される要因の再検証―所得税・消費税・住民税を中心に 片山大暉
社会における刑務所出所者の受容へ向けた「刑務所出所者観」の検討-刑務所出所者との距離とつながりの観点から- 村上真衣

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稲増ゼミ7期生卒業論文発表会

例年1月下旬に開催している稲増ゼミ卒業論文発表会ですが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言中であるため、1月25日月曜日12時~17時30分にオンライン(Zoom)での開催とします。1人の持ち時間は15分、発表12分質疑応答3分の社会心理学会スタイルです。

同級生や先輩の発表を聞きたい他ゼミ・他学部の方、稲増ゼミの志望を考えている1回生など、ゼミ生以外の方は、ご連絡をいただければ、参加用のURLをお伝えします。

以下の通り、今年は19本の卒業論文のうち、9本(第1セッション・第3セッション)が直接・間接的に新型コロナウイルスの感染拡大による社会の変化と関連したものになっています。
稲増ゼミ7期生たちは、前期はオンラインでのセミ、後期は感染対策を行ったうえでの対面(オンラインとのハイブリッド)でのゼミとなり、
さらには、データ取得の手段が限られたり、例年のように共同学習室やコンピューター室ゼミ生同士が集まって卒論を執筆するといったことも出来ませんでした。

それでも、これまでの卒業生たちと遜色のない卒業論文を無事書き上げることができたこと、本当によく頑張ったと思っています。

第一セッション 12時~13時00分
新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた個人の適応性-飽き性という性格特性に着目して- 楠田結菜
自粛要請による家にいることへの感じ方の変化の検討 橋本佳奈
リスク認知と動機づけによる新型コロナウイルス感染症における感染予防行動についての検討 大館友美
感染症を回避しようとする心理とパーソナルスペースの関係 衣笠里緒

13時00分 休憩

第二セッション 13時15分~14時30分
若者の自己若年視と「大人」の実感―社会観と大人観による国際比較 荻窪里穂
現代女性においての結婚 ・ 幸福度 の関連についての検討―女性の幸せとは何か― 松木里奈
いじりやすさの違いの検討―対人不安傾向と他者からの受容感または孤独感・疎外感、自虐的ユーモア表出の関連― 佐々木綾菜
セルフモニタリング傾向が対人葛藤方略と相手に対するコミットメントに及ぼす影響の検討 滝沢友麻
選択的友人関係志向からみた現代人の友人関係 小城朱里

14時30分 休憩

第三セッション 14時45分~16時00分
リモートワークにおける上司のサーバント・リーダーシップ、部下のビックファイブが及ぼす影響 日和政樹
マスクの着用が化粧行動に与える影響の検討 今西萌
マスク着用が対人不安者のソーシャルスキルと特性的自己効力感に及ぼす影響の検討 大西佑弥
ビデオ通信環境におけるミラーリングが対人魅力に及ぼす影響 荻原亜実
ビデオ通話における顔情報の有無による伝達度・伝達感の違いと画面配置によるリーダーシップの取りやすさの検討 河本志穂

16時00分 休憩

第四セッション 16時15分~17時30分
文字形状から想起される書き手の印象形成と採用判断の関連 就職活動における履歴書を用いて 辻良太
認知的方略の違いが就職活動結果に及ぼす影響の検討 宮地美月
内集団成員の喫煙者ステレオタイプ利用者における動機的・認知的方略に着目した黒い羊効果の検討 木村耕大
血液型を用いたマイノリティ共感の検討―共感性の高低は影響を与えるのか- 矢田千幸
自虐的ユーモア表出によるネガティブなメタステレオタイプの伝達が受け手の差別的態度と内集団の自尊心に及ぼす影響の検討 光岡あかり

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稲増ゼミ6期生卒業論文発表会

1月27日月曜日にE号館102教室にて、2019年度の稲増ゼミ5期生24名の卒業論文発表会を行います。1人の持ち時間は15分、発表12分質疑応答3分の社会心理学会スタイルです。

稲増ゼミ生だけでなく、同級生や先輩の発表を聞きたい他ゼミ・他学部の方、稲増ゼミの志望を考えている1回生などはもちろん、当日はどなたでも参加していただけますが、学外の方はご一報いただけますと幸いです。もちろん、途中入場、途中退室についても問題ありません。

なお、内定先企業の研修などの理由で当日欠席する学生については、事前にパワポを預かった上で指導教員が代わりに紹介します。

第一セッション 12時~13時30分
主観的幸福感に関する相対所得仮説の検証と相対時間密度仮説の可能性 砺波真也
人々の希望年齢の違い 〜家庭環境と人生設計を立てることが与える影響について〜 北浦康裕
失敗経験の有無及び振り返りの有無が成功時の満足感に与える影響の検討 内田貴子
印象評価における、セルフコントロールの影響について 嶋田和史
大学進学動機の規定因の検討 岡田和也
成人期の友人関係における親友と戦友の違い 川上真凜

13時30分 休憩

第二セッション 13時40分~15時10分
少数派支持者に対する印象評価―ユニークネス認知の媒介の検討― 青木若菜
名前(苗字)と人物像(性別)の整合性が印象 形成に与える影響について 荷葉浩樹
「褒め返答」による印象形成−自己と他者に与える影響− 吉井雪乃
初対面の場面に対する嫌悪感について―あいまいさへの非寛容とソーシャルスキルとの関連― 杉田佳穂
接客場面における沈黙の気まずさを感じる個人特性について~「美容院」という接客場面を通して~ 西口桃歌
店員との会話が孤独感に与える影響の検討 岡佑美

15時10分 休憩

第三セッション 15時20分~16時50分
社会考慮と信頼感の高低が与える社会的迷惑認知への影響の検討 白神優馬
赤色とリーダーシップの実験的検討―身に着ける色とパフォーマンスの効果に関連はあるのか― 濱野爽子
共感性羞恥と個人特性の関連―自己意識に着目してー 大村花
相談行動がもたらす利益・不利益の検討― 3つの援助要請スタイルを用いて― 三宅里奈
他者が握ったおにぎりに対する抵抗感についての検討 -対人信頼感及び洗浄強迫傾向、心理的負債感を用いて- 山本怜亜
子育て場面における母親の育児幸福感に影響を及ぼすサポート要因についての検討 大西杏奈

16時50分 休憩

第四セッション 17時00分~18時30分
芸術家へのステレオタイプが 印象形成及び作品評価に与える影響の検討 舟橋沙友里
年齢によるCMの選好の違いの検討及び、年齢によるCMの選好の違いによる、広告回避傾向の高さとCM回避行動の検討 荻野ひびき
メディアの女性像が女性に与える痩身願望への影響―女性の想定する男性の女性に対する魅力的な体型の誤認を通して― 中井彩
キャッシュレス社会の検討 ~ノエビアスタジアム神戸を用いた自然実験~ 宇田川彬
着用者の情報が衣服の評価に与える影響の検討 三林らら
贈りものの包装に対する捉え方の違いアニミズム信仰の地域差を用いて 堀井藍子

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関西学院大学 社会心理学研究センター長就任

一般に「属人的」という言葉は、組織がネガティブな状態にあることを表すために使われますが、個人的な意見としては、大学においてはプロジェクト等が属人的であることは、必ずしも悪いことではないと思っています。

誰かが立ち上げ本人が情熱を持って運営していたものが、なんちゃら委員の担当業務となって引き継がれることで無駄に時間を食うだけのお荷物となったというプロジェクトの抜け殻は、研究・教育を侵害する害悪でしかないと思います。

それだったら、プロジェクト自体を継続するのではなく、リーダーが飽きたら畳んでまた別のプロジェクトを立ち上げるという仕組みを継続させるほうが、自発性やイノベーションが求められる大学という場所に合っているように思います。

それでも引継ぎを行ってプロジェクト継続する価値があるとすれば、それは業務内容だけでなく、立ち上げた者の想いまでをも継承できる場合に、限られると思っています。

さて、関西学院大学社会心理学研究センターを立ち上げた三浦麻子さんが大阪大学への転出されるわけですが、それでもセンターは継続すべきなのでしょうか?

時は2013年、センター立ち上げの2年前に戻ります。私、稲増一憲は「世論やメディアに関する計量社会学的研究」という自分の研究分野どストライクの公募を見つけ、半ば記念受験のつもりで応募した関西学院大学社会学部に着任し、専任講師として働き始めました。念願のテニュアを獲得したのですから、情熱を持って研究にまい進と言いたいところですが、正直言って、当時の自分は研究者としては死にかけの状態でした。

前職は、面接で研究内容についてはほとんど聞かれないといったポジションで、産学連携のPBLに加えて、インターンシップの指導と基礎ゼミを担当するのが仕事でした。つまり、研究や専門性に基づく授業が期待されたポジションではなかったということです。

そして、私はこの仕事に向いて…いすぎました。今振り返れば大学教育としてよい授業だとはまったく思えませんが、(そうしようと思えば)学生を育てることのやりがいと達成感だけは、味わえるポジションでした。

しかし、前職の3年間、まともに論文をチェックしておらず、研究会にも出ておらず、下手をすれば学会すら行かない、なんてことをやっていたわけで、知識も研究のスキルも、どんどん錆びついていきました。夏休みと春休みに(職場は相部屋であり、かつ部屋にいると学生のたまり場になって研究ができないので)母校の図書館に籠って博論を書き上げるのが精いっぱいでした。

そんな状態でしたから、テニュアを獲得し専門性に基づく授業が担当できるようになったから研究をしようと思っても、錆びつきかけた院生時代の遺産くらいしか武器はなく、当然うまくいかずに、焦りばかりが募っていきました。

そんな時、研究者としての私を救ってくれたのがお隣の文学部の三浦麻子さんでした。

Twitterでつぶやいたちょっとしたアイデアを拾われて、その場で共同研究が始まりました。共著論文には、これでもかというくらい赤を入れられまくりました。最初は「院生じゃないんだから」と少し落ち込んだり、腹を立てたりもしたのですが、そういえば、院生時代にも査読前にここまで熱心に論文に赤を入れてもらったことはなかった、と思うと、こんなにありがたい話はない、と思うようになりました。その後三浦さんとは共著で6本の業績を出し、もうすぐ7本目が査読を通ると思います。

このように研究業績を挙げられるようになったことも重要ですが、それよりも何よりも、その過程で「研究はしかめっ面をしてやるもんじゃないよ」と研究を楽しむことを思い出させてくれたことが、今の自分を形作っています。

そして、社会心理学研究センターのミーティングでは、三浦さんは私だけでなく、それぞれに「あなたは統計講師でもプログラマーでもなく、社会心理学者だ」「院生の研究を熱心に指導しているのは分かったけど、あなた自身の研究は?」と、研究者であり続けるための言葉をかけられていました。

社会心理学研究センターは、そんな三浦さんの想いが具現化した場所であり、研究を心から楽しもうとする者たちが集う場所、日々の忙しさの中で自分が研究者であることを忘れそうなとき、それを思い出させてくれる場所だと、私は思っています。

3月の合同ゼミでは、三浦ゼミ、小川ゼミ、清水ゼミ、稲増ゼミに進学予定の大学院生たちが発表を行いましたが、きっと彼ら彼女らも、そんな場所に惹かれたという面があるのではないでしょうか。

三浦さんの代わりは誰にも務まらないことは、もちろんよく分かっていますが、この場所は、誰かが受け継ぎ守る必要があり、その役割を三浦さんに恩を受けた自分が担うのは、使命かもしれないと思っています。こんな長文を書いてしまうくらい気負ってはいますが、清水さん・小川さんもいるし、三浦さんも客員研究員としてセンターに残ってくれるので、まあなんとかなるだろう、と楽観的に捉えています。

というわけで、2019年4月1日より、二代目センター長となりました稲増一憲です。みなさま、よろしくお願いいたします。

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稲増ゼミ5期生卒業論文発表会

1月28日月曜日に社会学部棟201教室にて、2018年度の稲増ゼミ5期生19名の卒業論文発表会を行います。1人の持ち時間は15分、発表12分質疑応答3分の社会心理学会スタイルです。

稲増ゼミ生だけでなく、同級生や先輩の発表を聞きたい他ゼミ・他学部の方、稲増ゼミの志望を考えている1回生などはもちろん、当日はどなたでも参加していただけますが、学外の方はご一報いただけますと幸いです。もちろん、途中入場、途中退室についても問題ありません。

なお、卒業旅行・内定先企業の研修などの理由で当日欠席する学生については、事前にパワポを預かった上で指導教員が代わりに紹介します。

第一セッション 12時~13時15分
褒められた際に生起するネガティブ感情の検討 ―愛着スタイルと比較による褒めから― 山﨑果澄
怒りの表出に影響を与える要因について ―周囲の反応と個人特性からの考察― 光井大貴
恋愛における告白の動機 ―何が告白を多くさせるのか― 門多駿
日常場面のおける先延ばし行動に関する研究 ―先延ばしをする人としないはどこに差があるのか― 李融
食の好き嫌いと人の好き嫌いの関連性について 松田空

13時15分 休憩

第二セッション 13時30分~14時45分
左右対称顔が他者に与える印象 鷹野七海
化粧行為による武装感と対人態度について ―どのような心理によって鎧を身に纏うという行為するのか― 城元宏美
シンデレラコンプレックスと関係不安 ―なぜシンデレラコンプレックスの女性は男性と良好な関係を築けないのか― 峰行ひなの
セクハラは仕方のないことなのか ~性差別に囚われる女性たち~ 森原ゆきの
クレームに対しての労働の仕方 平田睦

14時45分 休憩

第三セッション 15時00分~16時15分
「目的に応じて書く」ことができるようになるためには何が必要か─国語力とセルフ・モニタリング・価値志向性に着目して─ 内田詩織
余暇の過ごし方の違いからみる社会的背景 森井康太
ひとり行動へ影響を与えている要因の検討 大朝健太
日本でE-スポーツを進める方法について 孫ジュンジェ
自動運転化に伴うドライバーの注意力低下に対しての喚起 福田裕哉

16時15分 休憩

第四セッション 16時30分~17時30分
アイデンティティの在り処 ―「本当の私」にこだわるのはなぜか― 池田菜央
人がもつ内的要因と香りの好みの関係性 ―どういった内的要因の人がどの香りを好むのか― 石川彩乃
承認欲求を満たすめに行われるアイドルファンの課金行動 鳥越あゆ実
オタクが持つメタステレオイプによる趣味開示抵抗感の検討 田島綾乃

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社会調査実習中間報告会(10月9日)

10月9日(火曜日)15時10分~16時40分(4限)に社会学部棟2階社会調査実習室にて、稲増ゼミ調査実習中間報告会を行います。稲増ゼミ6期生(3年生)は4つの班に分かれて4月から文献購読発表・仮説や質問項目の検討などを行ってきましたが、10月下旬に調査を行う前に、履修者以外にも公開する形での報告会を行います。今年の班は以下の4つです。

消費者心理班
告白班
いじりコミュニケーション班
苦情班

各班12分程度のプレゼンと質疑応答が行われます。
稲増ゼミ4回生のみなさん、2回生のみなさん、ゼミ選択を考えている1回生のみなさん、それ以外の方々など、みなさんのご参加をお待ちしています(学内の方はとくに事前連絡は必要ありませんが、学外の方がいらっしゃる場合には、事前にご連絡ください)。

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稲増ゼミ4期卒業論文発表会

1月29日月曜日に社会学部棟201教室にて、2017年度の稲増ゼミ4期生21名の卒業論文発表会を行います。1人の持ち時間は15分、発表12分質疑応答3分の社会心理学会スタイルです。

稲増ゼミのゼミ生だけでなく、同級生や先輩の発表を聞きたい他ゼミ・他学部の方、稲増ゼミの志望を考えている1回生などはもちろん、当日はどなたでも参加していただけますが、学外の方はご一報いただけますと幸いです。もちろん、途中入場、途中退室についても問題ありません。

なお、卒業旅行・内定先企業の研修などの理由で当日欠席する学生については、事前にパワポを預かった上で指導教員が代わりに紹介します(もしくは可能ならば中継?)。

第一セッション 12時~13時30分
努力の自己呈示方略から見る日本人の心理的傾向 増井峻太
ヤジから見たプロ野球ファンの心理に関する研究~なぜファンは選手を「ヤジる」のか~ 大村幸喜
横浜市民はなぜプライドが高いのか―地元愛を社会心理学的観点から考察して― 八木貴司
自己啓発書を購読する人とは―自己啓発書ブームに潜む社会背景から― 中山春菜
クリスチャンと讃美歌~キリスト信仰が賛美の印象に与える影響~ 勝部依里
なぜ『VERY』が売れているのか~「VERY妻」はそこにいる~ 平井里実

13時30分 休憩

第二セッション 13時45分~15時00分
表面上の仲直りはいつ起こるのか~許容と対人関係の視点から~ 若佐里彩乃
見知らぬ他者への気遣い行動―他者のためだけでなく、自分のために― 金田菜月
なぜ男性をかわいいと思うのか―女性の社会的側面と心理的側面からの考察― 宮瞳
マウンティング女子ブームにみる対人コミュニケーション 水谷俊太
集団における陰口の効用とは 伏谷理沙

15時00分 休憩

第三セッション 15時15分~16時30分
大学満足度は学校の雰囲気で形成されるのか~関西学院大学に着目して~ 松下奈央
サーバント・リーダーシップの影響過程の研究 野々村友佑
集団と個人の地位が満足度に与える影響について~なぜオタサーの姫は幸せそうなのか~ 大川夏実
好きな音楽に現れる特性―好きな「歌詞」に焦点を当てて― 永田優奈
大学生のスクールカースト研究~嘘を使いこなす弱パリピは学校を謳歌する~ 山本翔太

16時30分 休憩

第四セッション 16時45分~18時
なぜ「高校生の野球大会」が日本では人気なのか 西野寛人
なぜ人は情報セキュリティ対策をしないのか-リスク認知の観点から- 松浦拓海
乗車時にイヤホンで音楽を聴く人々の心理とパーソナルスペースの関係 三澤万希子
ニュース番組の伝わりやすさ―番組形式と視聴者のリラックス状態に着目して― 和泉谷香苗
メディアの中の他者の意見―なぜ報道番組においてコメンテーター・エクゼンプラ―が重宝されるのか 北川茉里奈

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社会調査実習1中間報告会(10月10日)

10月10日(火曜日)13時30分~15時にD303教室にて、稲増ゼミ調査実習中間報告会を行います。例年この時期に2回生を対象としたゼミ説明会の中で中間報告を行ってきましたが、今年は春にゼミ応募が終わっていますので、中間報告会として単独で開催します。今年の班は以下の4つです。

嫉妬班
健康食品班
アイドルへの課金と承認班
広告班

各班10分程度のプレゼンと質疑応答が行われます。
稲増ゼミ4回生のみなさん、2回生のみなさん、ゼミ選択を考えている1回生のみなさん、それ以外の方々など、みなさんのご参加をお待ちしています(学内の方はとくに事前連絡は必要ありませんが、学外の方がいらっしゃる場合には、事前にご連絡ください)。

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